メールセラピー副業は詐欺か？LINEで拡散された10億円案件の真相とAppleギフトカードの危険な罠

May 2, 2025

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女性

メールセラピーって、最近LINEの副業オープンチャットでよく見かけるけど気になるわ…

「登録するだけで5万円」「10億円も振り込まれた」といった華やかな話ばかりが飛び交い、思わず気になってしまった方も多いかもしれません。

でも、数々の副業案件を検証してきた私からすると——
正直、この時点で“あ、これはアウトだな”と、すぐにピンときました。

とはいえ、「もしかして本当かもしれない」と思ってしまう人の気持ちも、私はちゃんとわかります。

誰だって、今よりもう少し楽になりたい、収入を増やしたいという思いがあるはずですし、LINEの中で“みんな稼げてる風”に見せられたら、不安になりつつも信じたくなってしまいますよね。

この記事では、そうした気持ちに付け込むように作られた「メールセラピー」の仕組みを、登録から実際のやり取り、支払い要求の手口、そして運営会社の嘘まで、ひとつひとつ明らかにしていきます。

「登録だけしてしまった…」
「支払ってしまったけど、これって大丈夫？」
そんな不安を抱えている方に向けて、冷静に判断できる材料をお届けしますね！

メールセラピーとは？LINEで広がる謎の副業案件の正体

「メールで相談にのるだけで、お金がもらえる」
「誰でもかんたんにできる副業」
そんな言葉とともに紹介されているのが、今回取り上げる『メールセラピー』という案件です。

LINEのオープンチャットで紹介され、登録すると「お祝い金5万円」「相談者からの謝礼で10億円」などのメッセージが次々と届く構造になっており、まるで夢のような話が展開されます。

ただ、メールセラピーには、他の安全な副業とは決定的に違う点があります。

それは、仕事内容の具体的な説明がほとんどなく、最初から最後まで“報酬額”ばかりが強調されていること。

本来、きちんとした副業であれば、
・どんな業務をするのか
・報酬はどうやって決まるのか
・どの企業が運営しているのか
といった情報が、事前に明示されているものです。

しかしメールセラピーでは、そういった情報がすべて曖昧なまま進んでいきます。

さらに調査を進めていくと、「正規雇用契約にカスタマイズするにはAppleギフトカードが必要」と案内され、そこから徐々に金銭の要求が始まるという仕組みでした。

「なんだか怪しいな…」と感じる余地すら与えず、LINEの流れに乗って自然と登録・支払いまで進めてしまうように設計されているのが、この案件の巧妙なところです。

登録から給与受け取りまでの流れに仕掛けられた違和感

メールセラピーを実際に登録してみて、まず感じたのは、LINEのやり取りや登録導線がとにかく“急かす”ようにできていることでした。

最初に紹介されたのは、「副業オープンチャット」内の管理人「まどか」という人物からの投稿。

この「まどか」は親しげで感じのいいキャラクターとして登場し、稼げた人の体験談を交えながら、メールセラピーを自然にすすめてきます。

そのチャット内では、「あん」「レンレンママ」「茜」といった複数の参加者が、

「私はメールセラピーで月収200万円超えました！」
「10億円振り込まれたの、まだ信じられません…！」

と、驚くようなコメントを次々に投稿していました。

けれど、この時点で少し立ち止まって考えてみると、いくつかの“おかしな点”に気づくはずです。

違和感①：副業内容の説明がほとんどない

普通の副業なら、仕事内容や報酬の計算方法、稼働時間などの説明があるものですが、メールセラピーでは「メール相談で稼げる」としか書かれていません。

「なぜ稼げるのか？」「誰がその報酬を払うのか？」といった根本的な情報がスルーされたまま、次のステップに進めさせられる構造になっています。

違和感②：LINEアカウントのたらい回し

登録後、「副業オープンチャット」から「まどかの紹介ページ」→「メールセラピー求人LINE」→「雇用契約者312」→「雇用契約者304」…と、LINEアカウントをいくつも追加させられます。

これだけでも、明らかに普通の企業の採用フローではありません。

違和感③：突然送られてくる“10億円振込通知”

サイトにログインすると、初めて出てきた相談者「小倉さゆり」という高齢女性から、「10億円振り込みました」という通知が。

やまだ

その金額の大きさも現実味がないし、やり取りもしていないのにいきなり巨額をプレゼントされるという話自体が、気持ち悪いわ

違和感④：給与の受け取りに“追加費用”が必要

さらに問題なのは、報酬を自分の口座に振り込むには、「正規雇用契約に切り替える必要がある」とされ、そのための費用として3000円分のコイン追加を求められます。

しかも支払い方法は、Appleギフトカード。

これは、明らかに詐欺でよく使われる手口と一致しています。

“報酬が確定しているように見せかけてから費用を請求する”という流れは、これまでも数多くの詐欺案件で使われてきた典型的な手法です。

Appleギフトカード詐欺の特徴と手口の共通点

メールセラピーで最も決定的だったのが、「Appleギフトカードでコインを購入させる」という仕組みです。

この支払い方法そのものが、すでに多くの詐欺と共通する“危険信号”でもあります。

ここでは、Appleギフトカード詐欺の典型的な特徴を整理しながら、なぜメールセラピーもその例に当てはまるのかを解説します。

現金ではなく“ギフトカードで支払わせる”

AppleギフトカードやAmazonギフトカードなど、電子マネーで支払いをさせるのは、詐欺業者が追跡されにくくするためです。

銀行振込やクレジット決済と違って、返金対応や調査が難しく、被害者側が泣き寝入りになるケースが多発しています。

メールセラピーでは、「正規雇用契約へのカスタマイズ費用」として、Appleギフトカードで3000円分のコインを買うよう指示されます。

これは、何らかのサービス対価を装ってお金を引き出す、典型的な詐欺手法といえます。

少額から始めて、徐々に要求額を上げていく

最初は「3000円だけ」と言われますが、支払うと「新しい機能を開放するにはさらに必要」「時間切れで再度手続きが必要」などと、次々に追加のギフトカードを求められるようになります。

こうして、少額なら…という心理につけこみ、気づけば何万円、何十万円と搾り取られてしまうケースが後を絶ちません。

「報酬が確定しているように見せる」演出

メールセラピーでは、登録後すぐに「10億円が振り込まれました」という画面が表示されます。

一見すると報酬が手元にあるように思えますが、実際はシステム上の演出でしかありません。

これは、高額報酬が“すでに自分のものになっている”ように錯覚させてから、お金を払わせるという詐欺のよくある手段です。

「相手からの好意」を装って罪悪感を利用

10億円を振り込んでくれた相手が「おばあちゃん」や「善意の相談者」として描かれるのも、典型的なトリックです。

「せっかくあなたのために振り込んだのに」
「このままでは全員解雇になってしまう」

といった言葉で、断りにくい空気や罪悪感を作り出すのもよくあるパターンです。

やまだ

メールセラピーは、これらすべての特徴に当てはまってるわ。

しかも、支払いを拒否すると「他の人にも迷惑がかかる」「班が解散する」など、精神的に追い込むような言葉を重ねてくることもあるのよ

ギフトカードでの支払い＝詐欺　と覚えておきましょう！

LINEオープンチャットと偽2ちゃんねるの口コミに注意

メールセラピーがここまで広がった背景には、「口コミ風の演出」が大きく関係しています。

LINEオープンチャットで紹介されたり、検索すると“2ちゃんねる風”のサイトがヒットしたりすることで、「なんとなく信じてしまった」という方も少なくないのではないでしょうか。

ですが、これらの口コミには明確な仕掛けがあります。

オープンチャット内は「稼げた人」であふれているが…

最初に案内されるLINEオープンチャットでは、管理人の「まどか」という人物がメールセラピーを紹介し、他の参加者が次々と“成功談”を投稿します。

たとえば、

「10億円振り込まれて、いまだに信じられません！」
「昨日は20万円、今日は35万円！すごすぎます！」

など、驚くような金額がリアルタイムで投稿され続けます。

しかし、これらの投稿はあまりに“都合よく”流れており、実際には事前に準備されたヤラセ投稿と考えるのが自然です。

一見、たくさんの人が参加して稼げているように見せかけて、警戒心を下げているのです。

偽の「2ちゃんねる風」サイトで検索ユーザーを誘導

もうひとつ注意すべきは、検索したときに表示される2ちゃんねる風の掲示板です。

URLをよく見ると、実際の2ちゃんねる（現・5ちゃんねる）ではなく、メールセラピー関連のドメインで作られた偽の掲示板サイトです。

そこには、

「副業で月収7000万！気になる人は聞いて」
「私もメールセラピーで2400万円稼いでます」

といった、まるで本当に誰かが自由に書き込んでいるかのような内容が並んでいます。

けれど、このページのURLも、表示スタイルも、メールセラピーの紹介ページとそっくり。

つまり、自作自演で“信頼できる場所に見せかけた口コミ”を演出しているだけなのです。

なぜ信じてしまうのか？

LINE内やネット上で、複数の場所から同じ話が流れてくると、人は「本当に流行ってるのかな」と思ってしまいます。

ましてや、オープンチャット内では誰にも相談できない空気があり、「自分だけが疑っているのかも」と思わせるような環境が作られています。

やまだ

これは心理的にとても巧妙で、多くの人が冷静な判断をしにくくなる原因のひとつよ。
口コミが多く見えるからといって、安心してはいけないわ。

なぜ10億円という話に騙されるのか？心理トリックを解説

「いきなり10億円振り込まれました」と言われて、普通に考えたら「そんなわけない」と思うはずですよね。

それなのに、なぜメールセラピーのような案件で、多くの人が信じてしまうのでしょうか？

実はそこには、心理的に人を操る“仕掛け”がいくつも隠されています。

願望を刺激する「数字の魔力」

人は大きな金額や“宝くじ級の奇跡”に、どうしても心を惹かれてしまいます。

とくに、10億円のような非現実的な数字は、「もし本当だったらどうしよう…」という想像を膨らませやすく、現実感よりも期待感の方が勝ってしまうことがあるのです。

そして、「たった3000円で10億円が手に入るなら、やる価値あるかも…」という“コスパの錯覚”も、詐欺側の狙いです。

善意の人物からの“贈り物”に見せかける演出

メールセラピーでは、10億円をくれるのは「小倉さゆり」という高齢女性です。

この設定も非常に巧妙で、「なぜか自分を気に入ってくれた優しい人」というシチュエーションを作ることで、受け取り側に罪悪感や親近感を抱かせます。

その結果、「せっかくの善意を無駄にしてはいけない」という気持ちが働き、冷静な判断ができなくなってしまうのです。

“報酬がもう手元にある”ように錯覚させる

登録後すぐに、「お祝い金5万円が振り込まれました」「10億円が着金しました」という画面が表示されます。

このように、あたかも“すでに自分のお金”のように見せかけられると、人はそれを失いたくないと思い、支払いに応じてしまう心理が働きます。

これは「損失回避バイアス」と呼ばれるもので、「手に入っていないものより、手に入りそうなものを守りたくなる」という人間の本能的な反応です。

小額だから払ってしまう“安心感”の罠

3000円、5000円という金額は、決して安くはありませんが「大金ではない」と感じやすいラインです。

この絶妙な金額設定が、「まあ少しくらいなら…」「本当だったら大きいし」という迷いを利用する要素になっています。

しかし一度払ってしまうと、次から次へと別の理由で金額が上がり、気づけば何万円、何十万円も失っていたというケースも少なくありません。

やまだ

メールセラピーの「10億円プレゼント」という設定は、非現実的なようでいて、“信じたくなる心理”に寄り添うように設計されているのよ

運営会社の情報を検証して分かった不自然な点

メールセラピーのような副業案件に出会ったとき、信頼できるかどうかを見極める重要なポイントのひとつが「運営会社の情報」です。

そこで今回、メールセラピーの運営元として記載されていた「united agency company」について調べてみたところ、驚くほど多くの“怪しい点”が次々と見つかりました。

メールセラピーのページには、以下のような情報が掲載されていました。

販売業者：united agency company
運営責任者：James Aaron
所在地：〒10000 A International Bldg. 4F 11111, 500 Ave, New York, NY
電話番号：+1 917-313-2196
メールアドレス：unitedsweepstakes.com

一見すると、海外のそれなりの企業のように見えますが、実際に調べてみると多くの矛盾点が浮上してきます。

企業の実態がまったく確認できない

まず、会社名「united agency company」で検索しても、企業の公式サイトは見つかりません。

本当に2003年から存在する企業であれば、何らかの形でWeb上に情報が出てくるはずですが、住所・代表者名・ドメイン、どれを調べても信頼できる情報がありませんでした。

別案件では“日本の企業”になっていた

さらに調査を進めると、過去に「リゾートライフ」という副業案件でも、同じunited agency companyの名前が使われていたことが判明しました。

ところがそのときの記載内容はまったく異なり、

運営責任者：本田重行（日本人名）
所在地：東京都千代田区九段北1-12-6 九段坂上KTビル
電話番号：なぜか同じくニューヨークの番号（+1 917〜）

という、明らかにちぐはぐな情報が書かれていました。

日本の住所なのにアメリカの電話番号という時点で、信頼できる企業とはとても言えません。

法人登録なし＝架空の企業の可能性が高い

最終的に、商業登記や法人登録情報を確認した結果、
「united agency company」という企業は、日本にも海外にも法人としての登録記録が存在しないことがわかりました。

つまりこの企業は、名前だけをそれっぽく名乗っているだけの架空の存在である可能性が極めて高いのです。

やまだ

ここまででも十分に危険な案件であることがわかるけど、
実際に「被害に遭ってしまった」という声も各地で上がっているの

実際に被害にあった人たちの声と相談事例

どんなに仕組みや危険性を説明されても、「自分は騙されない」と思ってしまう人は少なくありません。

けれど実際には、メールセラピーのような副業詐欺で、実際にお金を失った人や不安に陥った人の声が、ネット上にいくつも寄せられています。

ここでは、Yahoo!知恵袋やX（旧Twitter）などで確認できた、リアルな被害報告を一部ご紹介します。

「今になって詐欺だったかもと気づきました」
2025年3月
Appleギフトカードを購入して送ったが、「10億円がもらえる」と言われたまま振り込まれず、名前や口座番号を教えてしまった。
警察に相談しようか迷っている。

「3000円だけのつもりが、どんどん金額が増えて…」
2025年1月
最初は3000円の支払いだったが、「手続きが時間切れ」「もう一度再契約が必要」と言われ、5000円、1万円…と、追加請求が続いた。

「家族に内緒で10万円以上つぎ込んでしまいました」
2024年12月
登録後、メールを返すだけの簡単な仕事だと思い込んでいたが、給与を受け取るためにとギフトカードでの支払いを求められ、結果的に10万円以上を失ってしまった。
解雇されると班全体が困るなどと脅され、精神的にも追い込まれていたという。

X（旧Twitter）や掲示板でも、
「メールセラピー詐欺だった」
「登録してしまって不安」「Appleカードを買わされた」
などの投稿が散見され、同様の被害が多数発生していることがわかります。

また、運営とのやり取りはすべてLINEで完結し、逃げられないような環境を作っている点も共通しています。

やまだ

こうした投稿からも明らかなように、メールセラピーの「報酬がもらえる」話はまったくの嘘であり、最初からお金を払わせることが目的の仕組みなのよ。

すでに登録・支払いをしてしまった場合の対処法

「もう登録してしまった」
「Appleギフトカードを送ってしまった」
そんな方も、まだ対応できることがあります。

1. すぐにLINEをブロック・通知オフにする

まず最優先は、これ以上連絡を取り続けないことです。

メールセラピーは、何かと理由をつけて追加費用を求めてきます。
「払わないと損する」「他の人に迷惑がかかる」などと、罪悪感や不安をあおってくるのが典型的な手口です。

これ以上やり取りをしても解決にはつながらないため、LINEの通知を切るか、完全にブロックするのが安全です。

2. 個人情報を提供してしまった場合は記録を残す

すでに氏名・電話番号・銀行口座などを教えてしまっている場合は、念のためやり取りのスクリーンショットを保存しておきましょう。

今後、被害届や警察相談時の証拠になります。

また、万が一、銀行口座に不審な動きがあった場合に備えて、銀行に状況を相談しておくこともおすすめです。

3. ギフトカードの購入履歴・番号はすぐに控える

Appleギフトカードなどを購入した場合は、

購入時のレシート
カード番号
使用日時・金額

などを、できるだけ早くメモに残してください。

すでに番号を相手に渡してしまっている場合でも、購入情報をもとにAppleや販売店舗に問い合わせをすることで、場合によっては調査や対応ができるケースもあります。

4. 消費生活センターや警察への相談を検討する

金銭的な被害が発生している、または個人情報を渡してしまった場合は、早めに公的機関に相談することが大切です。

以下の窓口が利用できます。

【消費者ホットライン】188（いやや！）→ 最寄りの消費生活センターへ
警察のサイバー犯罪相談窓口（都道府県ごとに専用窓口あり）https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/index.html
Appleのギフトカードサポート：https://support.apple.com/

「詐欺かもしれない」「相談だけでもしたい」という段階でも問題ありません。

そして何より大切なのは、
これ以上絶対にお金を払わないことです。

一度でも支払いをしてしまうと、「もうちょっと払えば戻ってくるかも」と希望を持ってしまいがちですが、これは詐欺側が最も狙っている心理です。

仮に相手が「返金対応します」などと言ってきても、それを信じてはいけません。
詐欺に対して“取り返そうとする行動”は、さらにお金を失う原因になってしまいます。